自主制作本を売り買いするイベント「コミティア」。
買うのも楽しいけれど、売るのだって楽しい!
この記事では、サークル参加が初めての人向けに参加の流れを解説します。
申し込みの方法から、本の制作、イベント当日の準備まで幅広くまとめました!
コミティアへの参加が初めての方でもご安心を!
この記事であなたをサポートします!
▼この記事の内容が「コミティアレポ漫画」として本になりました!
コミティアとは
コミティアとはプロ・アマを問わないマンガ描きたちが自主出版した本を発表・販売する展示即売会です。
漫画中心のイベントではありますが、漫画以外のオリジナル作品(イラスト・小説・評論など)も販売できます。
コミティアで販売できる作品は、オリジナル作品(一次創作)のみです。いわゆる二次創作(ファン・フィクション/パロディ)は販売することができません。オリジナル作品であればマンガ以外の作品(イラスト、小説、評論、音楽、グッズなど)も発表できます。
コミティア公式サイト|コミティアについて
「サークル参加」とは、コミティアで作品を販売するために出展費を払って参加することを指します。
コミティアにサークル参加するメリット
会場は東京ビッグサイトの場合、1回あたりの総来場者は約1万5千人~2万5千人です。
同会場で約3千~4千の出展(サークル参加)があるため、合計で相当な数の人が居るでしょう。
つまり人の目に触れる機会が多く、自身の創作の宣伝になります。
仕事のきっかけに繋がったり、スカウトの目に留まる可能性もあります!
創作の刺激になったり、仲間ができるってことも!
参加申し込み方法
最初にすることは、コミティアにサークル参加申し込みをすることです。
コミティアのサークル参加申し込みをする
サークル参加申し込み方法は、オンラインと郵送があります。
オンライン(Webサイトで申し込む)のほうが、締め切りが長いし簡単なので、おすすめです。
この時に本が完成していなくても、申し込めるのでご安心を!
▼別記事にて、Webサイトでのサークル参加申し込み手順をまとめました!
申し込み時点で必要なのは「出店情報」です。
レンタル品、サークル名、ジャンル、サークルカットはこの時に決めましょう。
レンタル品を決める
コミティアに申し込むと、長机半分のスペースと、椅子一脚がレンタル品として付いてきます。
参加人数が1人なら、これでレンタル品は足ります。
売り子さんや2人参加などで人数が増える場合は、プラスで椅子を1脚レンタルする項目を選択してください。
ちなみに、2人で椅子を並べて長机半分のスペースギリギリ収まるくらいです。3人は無理です。
サークル名を決める
サークルの申し込みにはサークル名が必要です。
サークル名とはサークル参加する際の「ショップ名」のことで、自由に決めて構いません。
ジャンルとペンネームが別々でも、同じにしても問題はありません。
アンケートをとったところ「ペンネームとサークル名は違うものに変えている」が最多でした。
ジャンルを決める
コミティアには20を超える出展ジャンルがあります。
ジャンルは申込画面の選択肢から見ることができます。
サークル配置は同じジャンルの人たちが集められるため、自分に合ったジャンルを選択しましょう。
とはいえ、自分の本がどのジャンルに該当するのか迷いますよね…
▼別記事にて、ジャンルの決め方を相談した時のレポートをまとめました!
サークルカットの制作方法
サークルカットとは、同人誌即売会に参加するサークルを宣伝するための画像です。
コミティアのガイドブック『ティアズマガジン』やWebカタログに掲載され、各サークルの傾向や頒布概要を絵や文字でわかりやすく一覧表示しています。
申し込み時にサークル名とサークルカットを描いて送信します。
イベントごとに大きさが変わる場合があるので、必ずサークルカット送信時に掲載されているテンプレートを使いましょう!
本の制作プロセス
一番重要な本作り!プロセスを解説していきます。
印刷所の選び方
本を作る印刷所はたくさんありますが、ここは好みになります。
サンプルを取り寄せたり、価格を比較して、希望にあった印刷所を選ぶと良いでしょう。
上記印刷会社はCLIP STUDIOに対応しているので、入稿(印刷依頼すること)の際もデータ作りが安心してできます。
印刷会社を決めたら、依頼するプランで冊子印刷の印刷・配達がイベントに間に合う日を確認しましょう。
それが原稿の締め切りです!
この締め切りが何より大事なので、本を作る際には最初に確認しましょう。
製本サイズを決める
発行する本のサイズを決めましょう!
漫画本の場合は、A5サイズかB5サイズで出す方が多いです。
【漫画・技術本】
- A5サイズ
- B5サイズ
【小説本】
- A5サイズ
- B6サイズ
- 文庫サイズ
- 新書サイズ
大きいと会場映えするので、迷ったら「B5サイズ」で出すと良いでしょう。
本文と表紙の制作手順
私は本文、表紙ともに「iPad mini」「ApplePencil」「CLIP STUDIO PAINT EX(ペイントソフト)」で作成しました。
\ペイントソフトの詳細を見る/
【CLIP STUDIOのバージョン違い】
PROが通常版。EXが通常版からもっと機能を盛った版です。
- 「CLIP STUDIO PAINT PRO」
1枚ずつキャンバスを作成する、イラスト向きのバージョン。 - 「CLIP STUDIO PAINT EX」
漫画のページ管理機能があるので、本を作るならこちらのバージョン。
iPad Proも持っているのですが、iPad miniだとどこでも作業できるので完成が早かったです。
この本は全てiPad miniで作成していて、移動の合間にカフェなどで作業したりしていました。
▼別記事にて、iPad miniの使い勝手の良さをまとめました!
▼時間短縮にテンキーのショートカットキー設定も役に立ちました!
おすすめiPad+Apple Pencil
私はiPad miniで描き上げましたが、iPadもパソコンも持っていない人は、miniではなく普通サイズのiPadの方が描きやすいと思います。
小回りを優先するか、キャンバスの大きさを優先するか…
希望にそった道具を買うと良いでしょう。
初めての方におすすめなのが、「iPad Air 10.9インチ」と「Apple Pencil 2世代」です。
キャンバスが広く、iPad miniやiPad Proよりもコスパが良い。
通常のiPadは「Apple Pencil 1世代」対応ですが、最新のiPadAirは壊れにくい「Apple Pencil 2世代」対応です。
この組み合わせは最新技術とコストのバランスがいいです。
色も豊富でかわいいし、おすすめです!
表紙デザインとロゴの依頼方法
初めて本を作る人が一番「作れるか不安」と感じるのって、表紙じゃないでしょうか。
私は「ココナラ」というデザイン発注サイトで、nzworksさんというデザイナーさんにご依頼しました。
1回目は表紙に使うロゴデザインを、2回目は表紙と裏表紙を全部ご依頼。
2回のご依頼とも、返信も制作もとても早くて良かったです!
\nzworksさんのロゴデザイン依頼ページ/
\nzworksさんの表紙デザイン依頼ページ/
得意な人に作ってもらえて安心だし、一番時間が読めない表紙を作らないことで締め切りが計算しやすくなりました。
人に作ってもらうのおすすめです!!!
\ココナラのサイトはこちら/
印刷部数を決める
印刷前に悩むのが「印刷部数」。
多すぎると在庫を抱えるし、少なすぎるとお客さんに買ってもらう機会を失います。
始めてで部数が読めない方は、30部から始めるのがおすすめです。
私は100部でちょうど良かった時もあれば、多すぎたな…という時もありました。部数は本当に読みにくいです。
入稿と印刷の流れ
【入稿・印刷の流れ】
- 印刷所のサイトにて、印刷セットを注文する
- 入稿データを出力する(iPadの場合は、メニューから「入稿データを出力」を選択)
- データをアップロードする
- これで印刷依頼は完了です!
印刷方式は、データそのまま印刷する「オンデマンド印刷方式」と版を使う「オフセット印刷方式」があります。
部数が少ないと「オンデマンド印刷」の方が安くなり、200〜300冊を超えたあたりで「オフセット印刷」の方が安くなります。
部数にあった印刷方式を選ぶと良いでしょう。
イベント当日の準備
展示・販売のために、用意しておくといいものをリストアップします。
展示のために買うもの
スペースに敷く布
布と値札と本があれば必要最低限「サークル」に見えるので、なんとかなります。
ひとまず長机に敷く布を買っておきましょう!
机が横幅90cm、奥行き45cm、高さ70cmと考えると、100cm×100cmくらいあると足ります。
色は濃い色がおすすめ!本が目立つので!
ハゴロモ スマート本棚(本を並べるスタンド)
便利な組み立て式本立てです。
スペースの横幅は限られているので、縦の空間をうまく活用しましょう。
段ボール製で軽いので、会場に持ってくるのも楽でした!
ポップスタンド(ポスターを飾るスタンド)
遠くから見つけてもらえるよう、ポスターがあった方がいいです。
そのためポスターを飾るスタンドもあると便利です!
A3のポスター+値段を垂らしてちょうどいいサイズ感でした。
展示・販売のために作るもの
値札
\無料テンプレートはこちら/
値札はプリンターを販売しているCanonが、同人活動用に無料テンプレートを配布しています。
自宅にプリンターがあれば簡単に印刷・作成できるのでおすすめです!
見本誌(2冊)
スペースに置く見本誌と、コミティアの見本誌スペースに置く見本誌を確保しておきましょう。
スペースの見本誌は、本に「見本」と書いた紙を貼るだけでOKです。
お客さんが興味を持った時に、中身を見てくれます。
コミティアの見本誌スペースに置く本は、当日巡回してくるコミティアスタッフさんに渡します。
参加申込の手引きに見本誌に貼るシールがついてくるので、それを貼ってください。
コミティアスタッフさんは、10時台にスペース設営しているタイミングで来ます。
ポスター
遠くから見た人からも販売物・サークルが分かるように置く目印です。
販売促進効果もあるので、作っておきましょう!
A3サイズならコンビニでも印刷できます。
ポスターやポスターの下に「スペース番号」を添えておくと、サークルを探している方が助かりますよ!
おつり(500円、100円)
1,000円札、500円玉、100円玉のおつり(釣り銭)を用意しておきましょう。
販売する本が1,000円や500円の場合は100円玉を用意する必要はないですが、100円玉でお会計するお客さんはいるので「収納するケース」は用意しておきましょう。
銀行で小銭を作るか、この日のために溜めておくといいでしょう。
私は100円玉100枚持って行って足りましたが、人によるかも。
イベント時はこのコイントレーが使いやすかったです。
▼関連記事
イベント釣り銭入れにぴったり!100円と500円のみが入るコイントレーと、持ち運びができる簡易レジの記事を書きました。
あると助かる備品
- ガムテープ(スペース布をとめる、最後本を郵送するときにも使う)
- ゼムクリップ(スペース布をとめる)
- ペン(見本誌渡す時に項目を記入する)
スケブやサインを頼まれた時もあったので、ペンはあったほうがいいかも。(断っても良いけど)
売り子さんの役割
トイレ休憩、買い物の時にサークルスペースを空けてしまうのは心許ない。
そこで「売り子さん」を頼んでおくのをおすすめします!
【売り子さんがすること】
- 本の販売(お金を貰って本を渡す)
- サークル主が離席している時に差し入れなどがあったら「本人は離席中」と伝えて物を貰う
売り子は友達に店番してくれるよう頼むのが一般的です。
クリエイター同士なら共同出展するのもいいですね!
イベント当日の流れ
ついに当日!東京ビッグサイトからお送りします!
設営と開始準備
開催時間は11:00〜16:00ですが、サークル参加は当日9:00〜10:40までの間に入場します。
会場内の各所に荷物がブロック別に展開されています。
自分の荷物を確認して、スペースまで持っていきます。
本名が書いてあるので、困る人は早めに会場に行くといいですよ!
スペースには机と椅子が置いてあります。
椅子を組み立てて、布を敷いたり本棚を置いたりしてスペースを飾りましょう!
このとき両隣、後ろのサークル参加者さんに挨拶もしておきましょう!
設営をしているとコミティアスタッフさんが巡回に来るので、見本誌を渡しましょう。
売り上げの管理と顧客対応(時間ごとの売れ行き)
参考までに、とある日75冊売れた内訳を載せます。
【時間帯別:販売冊数】
- 11:00〜 12冊
- 12:00〜 29冊
- 13:00〜 14冊
- 14:00〜 12冊
- 15:00〜16:00 8冊
11:00〜12:00は並んでいた来場者が徐々に入場してきます。
12:00を過ぎると来場者が入りきり、会場が人で賑わいます。
販売数のピークは12時台でした。
10:00〜11:00に早めのお昼を食べて、11:00〜14:00は席を外さないことをおすすめします!
イベント終了後の撤収
コミティアは16:00に終了します。
このあと荷物をまとめ、荷物が多い場合は会場の「ヤマト運輸受付」にて段ボールを自宅へ郵送しましょう。
帰りの宅配便は13:00から受付しています。
混むのを避けるため、15:00頃に撤収するサークルもけっこう居ました。
サークル参加は以上です!お疲れ様でした!
収益と副業としての可能性
給与以外の所得金額が20万円を超える人は「確定申告」が必要になります。
大部分の給与所得者の方は、給与の支払者が行う年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了するため、確定申告の必要はありません。
コミティアで売上から費用(印刷代など)を引いた金額が20万円を超える場合は、確定申告をしましょう!
▼別記事にて、副業の確定申告手順をまとめました!
まとめ「コミティアのサークル参加は楽しい!」
買うのも楽しいけれど、売るのだって楽しい!
プロ・アマ問わず、オリジナルの本を作って出展できるのがコミティアの素敵なところです。
少しでも「楽しそう」と思ったら、チャレンジしてみてはどうでしょう。
これを読んだあなたに、素敵な創作ライフが訪れることを願っています!
以上、メモノテからお送りしました。
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