
誰だって、最初は1人でお金の収支報告をするのは不安です。
これは、そんな初めて確定申告する人向けの記事です。
私も「確定申告って何?」という、「何も準備していない状態」から確定申告をしました。
当時を振り返り「これ知りたかったな〜」「これどのタイミングで考えればいいの?」と思ったことをまとめました。
登場人物

【この記事で確定申告をする人】
フリーランス子。
会社勤めをしつつ、副業でイラストを描いている。
このたびイラストの収入が20万円を超えたので、確定申告を考えるようになったよ!

【確定申告に詳しい猫】
めもちゃん。
フリーランスから会社の総務まで、いろんな人のお手伝いをしている招き猫。
今回、フリーランス子の確定申告をサポートするよ!

それでは、最初に何を考えればいいのかを解説します!
1.はじめにすること



確定申告って、お金の収支を国に提出するんだよね。
何からしたらいいの?



まずは自分が確定申告の対象かどうかチェックしておきましょう!


確定申告が必要か考える
基本的には、副業収入が20万円を超えたら「確定申告」を考えましょう。
このとき売上ではなく所得で考えます。
【副業で、確定申告の対象になる場合】
- 1月1日から12月31日までの1年間の収入から、経費を引いた金額が年間で20万円以上になる場合
ただし金額を問わず「住民税」の申告は必要なので、収入を得た時点で確定申告の準備はしておきたいですね。
副業で得た収入が20万円以下で確定申告の必要がなくても、住民税の申告は必要です。
確定申告を行えば、申告した内容が税務署から市区町村に通知され住民税額が決定しますが、確定申告をしなかった場合は各市区町村の役所で住民税の手続きを行わなければなりません。
freee | 副業の基礎知識 副業所得20万円以下は確定申告と住民税の申告をするべき?20万円ルールを徹底解説!



いつ収入が20万円超えるか分からないので、事前に確定申告できる準備をしておきたいですね!



ふむふむ
1年間の収入が対象ってことは理解したよ!
確定申告には対象期間がある
最初に確定申告の期間を把握しておきましょう!
確定申告の対象となる期間・確定申告をする期間は以下です。
確定申告の対象は、毎年1月1日~12月31日の1年間に発生した所得。
確定申告をする期間は、翌年2月16日から3月15日までの間。



1年間の売上・経費が確定してから、確定申告をする期間が始まるんですね!
例えばあなたが現在10万くらいの副収入を得ているとします。
例えば今が8月なら12月31日まで5ヶ月あり、まだ収入が生じる可能性が高いです。
そのため確定申告の準備をするべきです。
例えば今が12月なら、12月31日まで残り少し。
忙しかったら、確定申告の準備は来年でもいいかもしれないですね。



それでは確定申告の準備をしましょう!
税務署に届け出をします!



届け出?
「開業届」を出す
個人事業主を始めるなら「開業届」「青色申告承認届」の提出が必要です。
どちらも最寄りの税務署にて提出しましょう。
【開業届の基本情報】
- 開業届を提出するタイミングは、事業を開始した日から1ヶ月以内
- 1ヶ月の期限を過ぎてしまってもペナルティはない
- 開業前に出すことはできないが、開業後に収入を得ていない場合でも提出できる
- 既に収入を得た後に提出することも可能
「開業届」の作成には手間がかかります。
収入がない時点で提出することもできるため、余裕があるときに早めに出しておきましょう。
開業届の書類作成が簡単にできるツールもあります!
無料なので、上手に利用しましょう!
\開業届のおすすめ作成ツール/



開業届で「お仕事開始します!」「お仕事すでに開始してます!」という報告を国にしましょう!



税務署に行って書類提出をするのがスタートラインなのね
「青色申告承認届」を出す
確定申告には「白色」「青色」があります。
白色で提出すると10万円、青色で提出すると65万円の控除をしてくれるので、青色のほうがお得です。
青色の場合は事前に税務署へ行き「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておく必要があります。
【青色申告承認届の基本情報】
- 青色申告承認申請書を提出するタイミングは、開業日から2ヶ月以内
- 1月1日から1月15日の間に開業した場合は、その年の3月15日までに提出すること
- 開業1年目から確定申告したい場合、青色申告をする年度の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する
既に開業していて、白色から青色に変更したい事業者も同様です。(下記引用参照)
既に開業していて、これまで白色申告をしていたが青色申告に変更したいという人は、青色申告をする年度の3月15日までに青色申告承認申請書を提出すること
青色申告承認申請書とは?書き方と提出期限について解説



「開業届」「青色申告承認届」の提出が第一歩!
ということがご理解いただけましたか?



ふむふむ
とりあえず今は税務署に行くってことが分かった!



ついでに詳しい人にお話を聞きましょう!
次の見出しの「税務相談」がおすすめですよ!
2. 税務相談に行く



税務相談って何?



税務署が無料で受け付けている相談所です。
「何をしたらいいのか分からない」という状態で行っても、丁寧に説明してくれますよ!
税務相談とは
「今年の売上20万超えそうだな」と思ったら、行っておきましょう!
税務署の人が親身に相談に乗ってくれますよ。無料です。
税務署は、確定申告がわからない場合の相談場所として「税務相談」という場を設けています。
【税務相談とは】
- 確定申告が初めての場合など、税について相談できる場所
- 税務署で相談ができる時間は、原則平日午前8時30分から午後5時まで
- 時間がかかるため、事前に予約が必要(税務署やタイミングによっては、予約なしでOKな場合も)
- 確定申告時期には別途相談会場を設けている
税務相談で話を聞いてもらい、ついでに「開業届」「青色申告承認届」を提出しましょう。



確定申告についても理解できるし、必要書類の提出もできるし、一石二鳥です!
税務相談に行く流れ
下記の流れを理解しておけば、スムーズに相談に乗ってもらえます。
【税務相談に必要なこと】
- 最寄りの税務署に電話して予約する
- 自分の収入を把握しておく
- 本人証明印鑑を持って行く



6〜11月が繁忙期ではないと思うので、この辺で行っておけるとベスト!
12月を過ぎると税務署が忙しくなり税務相談がしにくくなるため、開業届の受理が間に合わない可能性があります。
また、税務署ではなく相談会場での相談になる場合もあります。
ただし、繁忙期なども税務署によります。
ひとまずは「困ったら税務署に相談」と覚えておいてください。



ふむふむ
税務署で書類の提出を終えたら…



次は確定申告の一番大変なところ!
「売上」と「経費」についてお話します!
3. 売上と経費をメモする



確定申告って、紙にいろいろ書いたりするの?
大変でいやだな~



今はクラウド(ネットで確定申告)が推奨されています。
クラウド上でなるべく簡単にできるやり方を解説していきますね!


売上が発生したら、都度メモしておく
「売上」=商品やサービスを提供することで得られた収入のことです。
「いつ、どの会社から、いくら売り上げたか」「そのときの源泉徴収額はいくらか」をメモしておきましょう!
まとめ方はスプレッドシートでも、手書きでも良いです。



のちほど確定申告のクラウドサービスに入力して、1年間の売上金額をまとめます。その準備ですね!
経費のために、勘定科目の勉強をしておく
「経費」=売上のために使ったお金。「勘定科目」に振り分ける支出のことです。
「勘定科目」とは、お金の流れについて「何に使ったのか」「なぜ入金があったのか」をわかりやすく記録するための分類項目です。この項目ごとに金額をまとめて、確定申告で提出します。
分類項目は事業内容によって変わります。
どんな理由で使ったお金なのかを説明できるように「勘定科目」を決めておきましょう。





副業フリーランスなら8個くらいあれば十分なので、今決めておくと後々楽ですよ!
レシートや通帳を集めておく
レシートや通帳など、使ったお金や入ったお金がわかるものを用意しましょう。
【どうしてレシートが必要なの?】
電子データとして保存した領収書やレシートは、税法によって5年間の保管が義務となっています。
(※個人事業主の場合が5年。会社だと7年。)


確定申告の書類作成は、これを元に入力していきます。
経費の証拠を捨てないようにしていきたいですね!



買ったもの全部メモしておくの?



事業に関係している「経費(費用)」は必ずメモしておきたいですね!
買ったものの写真を撮っておく
人間なので、購入メモだけだと忘れてしまうこともあり得ます。
クレジットカードの明細を見ても、明細が店名でないこともあります。
記憶力に自信のない方は「ものを買ったら写真を撮る」を習慣にしておくと、振り返るときに大変助かりますよ!



売上と経費をメモしておくってことは分かった!



さて、確定申告を楽にするヒントは「電子化」です!
売上と経費の集計も楽になるので、次の見出し内容に対応しましょう!
4. 電子化対応をしておく



電子化って?



マイナンバーカードを作る、ネットバンク化する、クレジットカードを使うことです!
マイナンバーカードを作っておく
青色確定申告は最大65万円まで控除ができるのですが、「e-taxで青色申告決算書を提出する」という条件があります。このe-taxをするには「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」があります。
「ID・パスワード方式」は税務署でIDとパスワードを発行するやり方です。
今後マイナンバーカード方式に一本化されることが予定されているため、今始めるなら推奨されません。
「マイナンバーカード方式」は、スマホとマイナンバーカードがあれば、カードリーダーがなくてもe-Taxによる申告ができるシステムです。



と言うわけで、e-taxのためにマイナンバーカードを作っておきましょう。
通帳のネットバンク化
確定申告はとにかく入力が面倒なので、自動化がポイント。
ネット上で銀行通帳を見れるようにする手続きをしておきましょう。
後で出てくるのですが、確定申告の収支計算をクラウド上で行うなら必須レベルです。



銀行の窓口が平日しかやっていないこと、マイナンバーが必要なことから、余裕があるときにやっておきましょう!
三菱UFJ銀行ならEco通帳にしておくと、クラウド確定申告サービスと連携できて楽です!
クレジットカードでお買い物
これも通帳と同じく、自動化のためにやっておいた方が良いことです。
確定申告は経費(費用)入力との戦い。
コンビニの買い物のような小額のものでも、経費にするものは何でもカード決済したほうが楽です。
なんせ現金だと手入力(最近だとスキャンがあるので便利)になりますが、クレジットカードでお買い物をしていればクラウド確定申告サービスが自動で連携してくれます。



これらに対応しておくと、入力が楽になり大変便利です!



何に入力するの?



確定申告のクラウドサービスです!
ステップに従って簡単に確定申告ができるサービスを利用しましょう!
5.確定申告のクラウドサービスを契約する



サービス契約しなくちゃいけないの?



確定申告に慣れないうちは、ステップに従って入力するだけで確定申告を進められるサービスを利用するほうが簡単です。
有名なサービスは「Freee」「マネーフォワード」です。
両方使いましたが、私は「マネーフォワード クラウド確定申告」がおすすめです!
\1ヶ月無料トライアルもあるよ!/


「Freee」も使いやすいのですが、オリジナル勘定科目があったりするのが個人的にはわかづらかった印象です。
マネーフォワード クラウド確定申告
入力から申告まで、確定申告に必要な機能が揃っている、確定申告サービスです。
取引明細データ自動取得や、仕訳の自動入力、確定申告書・決算書作成。
アプリとe-Taxソフトが連携しているので、このまま書類提出ができます。
\入力画面はこんなかんじ/





有料だから躊躇しちゃう!
もう一押しメリット言ってほしいな!



今は前より良くなったけど、国が作った確定申告画面って操作性があんまりでした!
最初から操作性が良いサービスを使っておいた方がいいですよ!



これで売上と経費を入力して…
あとは確定申告する前に気にしておくことある?



それはですね…「源泉徴収」です!!!
6. 源泉徴収の確認



お取引先からの売り上げ振り込み、「源泉徴収」ってのが引かれていたよ。源泉徴収ってなに?



源泉徴収とは、給与や報酬を支払う事業者(会社)が、給与支払い時に「所得税」などを差し引いて、国などに納付する制度のことを指します。



引かれるとデメリットとかあるの?



所得税はどのみち納付しなければいけないので、先に会社で引かれるか、確定申告後に払うかという違いです。
源泉徴収額を確認する



会社で貰う「源泉徴収票」に金額が書いてあった!



会社のお給与も源泉徴収が引かれています。
会社給与の源泉額+副業収入の源泉額を確定申告時に書きましょう!
会社で「源泉徴収票」をもらっていませんか?
副業で御請求額から「源泉徴収額」を引かれていませんか?
確定申告の源泉徴収欄は、会社ごとに分けて書くようになっています。
取引先企業ごとの源泉徴収額の合計を、確定申告時に入力しましょう。
【源泉徴収額の知り方】
- 「御請求書」「支払明細書」などを見る
- 会社で年末調整後に、12月の給与明細と一緒に貰う「源泉徴収票」を見る
- 副業の取引先から「支払調書」をもらえる場合は、それを見る
支払調書の注意点
取引先によっては、源泉徴収額を記載した「支払調書」が送られてきます。
ただし、支払調書の発行に必要な書類を求められる場合があるので、注意しましょう。



先方から「支払調書を送るのでマイナンバーカード、もしくは身分証明書のコピーを送ってくれ」と言われたんだけど



5万円以下なら提出する必要はありません



説明したら、提出しなくても大丈夫になった!そうなんだ〜



総額5万円以上ならドンマイですけどね…
取引先に顔を知られるのが嫌な方は、契約時に「弊社は提出しますか?」と確認したほうがいいですね。



ふむふむ
売上と経費をメモして、源泉徴収額を確認…と



それがわかればもう大丈夫!
あとはひたすら入力ですよ!12月までにしておくといいことは…
7. 12月までにしておくと良いこと



確定申告の時期が近づいてきた!
この時期は何をしたら良いの?



確定申告の対象期間は12月31日で締めなので、今のうちに関わった金額をたくさん入力しておくと吉です!
確定申告の時期に確定申告書・決算書の作成を行うので、その準備をしておきましょう。
各金額を、クラウドサービスに入力する
売上・経費(費用)をまとめる
確定申告のクラウド型サービスに入力して、1年間の売上・経費(費用)をまとめましょう。
これが「仕訳」となります。
▼仕訳の「勘定科目」の選び方は下記記事参照


源泉徴収票・支払調書をまとめる
「御請求書」「支払明細書」などをかき集めて、源泉徴収額を把握しましょう。
これを確定申告時に入力します。
医療費控除をまとめる
1年間に使った医療費が10万円を超える場合。
医療費の領収書をかき集めて、医療費を把握しましょう。
確定申告時の「医療費控除」の欄に入力することができます。
ふるさと納税をやる
ふるさと納税は、自分のいる土地以外に寄付をすることで税が控除される制度です。
「返礼品」としてその土地の特産品が贈られるので、お得ですよ!
\おすすめの品はこちら/


寄付金のうち2,000円を超える部分については所得税の還付、住民税の控除が受けられます。



ふるさと納税は1月1日から申請可能です!



人気な返礼品も多いので、早めにやっておきたいね!



でも1月1日〜12月31日の所得額でふるさと納税可能額が決まるので、売上が不安定な副業分は12月頃にやるのがおすすめです!
8. 2月16日〜確定申告開始!



キターーー!
確定申告のターンだ!



2月16日から3月15日までの間は、確定申告期間です!
▼「○○年度確定申告」ボタンから、確定申告画面へ行きましょう!


▼ステップに従い、金額を入力します!


このあとはマネーフォワードのアプリを使い、e-taxと連携して簡単に申請ができます。



解説シンプルすぎやしない?



実際ステップに従って入力するだけなので…
楽であんまり言うことない…
e-taxによる確定申告が完了したら「確定申告書」のPDFが発行されるので、保存・保管しておきましょう!
9. 後日、納税or還付がある
後日、売上が多ければ納税の紙が来ます。
費用や源泉徴収額が多ければ還付金が振り込まれます。



これで確定申告が完了か!



お疲れ様でした〜!!!
おわり:さいごに



確定申告、終わってみたら簡単だった!



それはよかった!
1人でお金の報告をするって不安ですよね。
でも、確定申告の内容と流れを1つずつ理解すれば、思っているよりずっとシンプルだということがわかります。
この記事が、確定申告への不安を和らげられたら嬉しいです。


以上、メモノテからお送りしました!
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