漫画を描くにあたり悩むのが、キャラクターの配色。
基本的に漫画は白黒ですからね。白黒グレーのバランスが大事になります。
白すぎか?黒すぎか?バランスは?と考えたらキリがないです。
そこで少しでも不安を解消するべく、キャラクターデザイン時のいい法則がないかを調べました。
ここで一覧にしてご紹介します。
参考にした本なども載せたので、迷った方はどうぞ!
キャラクターデザイン、白黒グレーのバランスって?
キャラクターデザインにおいて、白黒グレーののバランスは大事です。
あなたのキャラクターがどのように見られ、解釈されるかを大きく左右します。
「誰向けの記事?」という方向けにざっくりと説明するとですね…
線画を描いたは良いもの、どう塗ったらいいかわからない方。
とりあえず一部塗って、他を探り探りで塗って、でもそれが合っているのかわからないので何度も塗り直している方。
そういう方向けに、情報を集めて「白と黒とグレーの配色バランスに自信をつけよう!」という記事です。
1.「70:30」の配色ルール
デザインの一般配色ルールに「70:25:5」の法則があります。
これを応用して、全体の30%を濃い色(黒)にし、残りの70%を薄い色(白またはグレー)にすると、視覚的にバランスが取れ、魅力的に見えるのではないでしょうか。
というわけで、この法則をちょっと解説します。
配色比率「70:25:5」の法則
デザインの一般原則。
70%がベースカラーで、25%がメインカラー、5%がアクセントカラーです。
この3色を設定し、配色をそれぞれ「70:25:5」の割合にするとバランスの取れた美しい配色になります。
【ベースカラー】
背景や余白など最も広い面積に使う色。
【メインカラー】
デザイン全体を印象付ける色。
【アクセントカラー】
デザイン全体にアクセントをつける色。3色の中で最も目立つ色を設定する。
白黒グレーの場合「黒」が最も強い色なので、このメインカラーとアクセントカラーに当てはめるとちょうどいいというわけです。
黒を最低限30%入れたら安心ってことか!
2.白と黒の分散バランスを「グラフ化」する
迷ったら白黒をバランスよく分散させよう!
全体の配分をグラフで意識すると、白と黒を効果的に分散できているかチェックできます。
絵が完成したら、ざっくりで良いのでグラフ化してみましょう。
これが配色のバランスを客観的に見る際に参考になります。
例:「キャラが白すぎる?」と思った場合
配色をグラフ化して、白が多すぎる箇所(この場合ボディの白部分)に黒を入れるとキャラが締まりました
黒は強い視覚的インパクトを持つから、視覚的なポイントが分散されることで印象が安定するのか!
白黒イラストのおすすめ参考本
このグラフ化は、下記書籍を参考にしました!
「モノクロイラストテクニック 超描けるシリーズ」(著:jaco)という白黒イラストの本です。
この本のメイキングにグラフが載っており、すごく参考になりました。
少なくとも一定の面積に黒い箇所があった方が画面は映えます。
「モノクロイラストテクニック 超描けるシリーズ」より引用
P78「完成イラストで白と黒の配色バランスをチェック」という項目で、白と黒の配分をグラフに置き換えた図が登場します。「バランスってどうとれば良いんだろう」と思っていた私には目から鱗でした。
▼白黒イラストの配分については下記項目も参考になりました。おすすめです。
P96 黒ベタを利用するとどんな印象になるのか、対比してみる
P130 バランスよく、黒い箇所を選ぶテクニック
漫画のキャラって線がノイズになってベタを意識しにくいけど、グラフにすると意識しやすくなるね!
3.白黒グレーの「イメージ」から配色する
白と黒のバランスうんぬん言いましたが、一旦忘れてください。
キャラクターの性質によっては「白のみ」「黒のみ」でも良いのです。
一般的なキャラクターは「白」「黒」「グレー」がいい感じに分散していますが、キャラクターのの役割によっては白か黒が優勢なこともあります。
極端にいえば、キャラクターに合っていれば髪も服も全身黒コーデでも問題ありません。
これはキャラクターの性格や雰囲気、そしてその役割によるからです。
また、全体のシーンにおけるキャラクターの位置づけによっても変わります。
- 白は明るい・透明感のある印象
- 黒は強調色、黒が多いとミステリアスな印象
- グレーは中間色、調和してやわらかい印象
といったように、キャラクターの印象付けたいことを定めることが、効果的な配色につながります。
そういえば、コミュニケーション能力が高い調和キャラはトーン髪(グレー)なことが多い気がする!
キャラクターデザインのコツは、キャラ設定を強固にすることだね!
ここから更に白黒の印象を掘り下げます。
「カラーを白黒グレー化した」としたと想定するとどうなるんでしょう。
4.「カラー版の髪色」を想定すると深みが出る
最後にちょっと変化球。
カラー版の髪色を想定して、白黒グレーの配色をしてみませんか?
視点が変わると新たなインスピレーションが湧くかもしれません。
これは、髪色でキャラクターの性格や役割を強調する場合、それを白黒グレーに落とし込むとどうなるかという例です。(あくまで私のイメージですが)
こうして見ると印象もわかりやすいですね。
例えば、黒髪(濃い色調)のキャラクターはミステリアス、強い意志がありそうです。
一方、白髪(明るい色調)のキャラクターは無邪気、善良な印象です。
グレーは濃淡によって印象が異なりそうですが、キャラクターに一人いると調和してくれる色ですね。
髪色でキャラクターの性格や役割がわかる本
「キャラの魅力を最大限に引き出す!マンガキャラ配色の教科書 マンガキャラを描こうシリーズ」(著:桜井輝子)という本で、髪カラーごとのキャラクターの印象をカテゴライズしてくれています。
\内容かるくまとめた/
髪のカラーごとのキャラクターの印象
- レッド系:情熱。力強く目立つ色なので、エネルギッシュなキャラにおすすめ。
- オレンジ系:元気。面倒見の良い先輩や包容力のあるキャラにぴったり。
- イエロー系(ゴールド含む):陽気。世界的に太陽・光の色なので、明るく前向きなキャラに。
- グリーン系:温和。自分の立ち位置を調整して、チームのまとめ役キャラに。
- ブルーグリーン系:知性。キャラに唯一無二の存在感を持たせたい時に。
- ブルー系:正義。正義感が強いキャラや信念を曲げないキャラに。
- バイオレット・パープル系:感性。優雅で上品な印象から下品で派手な印象まで。
- ピンク系:可憐。愛らしさや愛を表現するキャラに。
- ブラウン系:安定。安心感・自然な存在感でキャラには使いやすい色。
- ホワイト系:純粋。未知の存在や神秘的なキャラに。
- グレイ系:中立。表現次第でかっこよくも野暮ったくもなる。
- ブラック系:意志。強い使命を持つキャラにもフォーマルなキャラにもなる。
これはほんの一部で、書籍にはたくさんのイメージと「髪色×瞳の色」の印象比較など載っているのでおすすめです!
カラー版を想定すると、深みが出るね!
髪色が決まれば全体も決まる
例えば黒髪系にすると、ボディが白だと配色バランスが悪くなります。
ここから黒をバランスよく分配することで、キャラクターとして締まるように配色できます。
そっか、頭に黒があると下にも黒を置いてバランスを取らなきゃいけないのか。
配色のインプットを増やすことも大事です。
服に関しては「モノトーンコーデ」を検索するのもおすすめですよ!
配色バランスだけじゃなく、アクセサリや素材感も参考になるので、いろんなコーディネートを見るのは楽しい!
髪色から選択肢ができるのは、ありがたいよね!
まとめ:さいごに
\まとめです!/
- 「70:30」の配色ルールで、黒を30%入れてみる
- 白と黒の分散バランスを「グラフ化」して、見栄えをチェックする
- 白黒グレーの「イメージ」から配色すると、バランスが気にならなくなる
- 「カラー版の髪色」を想定すると、深みが出るしボディも配色しやすくなる
漫画のキャラクターデザイン、白黒グレー配色の法則を調べました。
参考になったでしょうか?
楽しいキャラクター作りになることを願っています!
以上、メモノテからお送りしました。
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